ビルメンテナンス業界に興味を持ったら、その年収や将来性が気になりますよね。ビルメンは年収が低いといった話もよく聞くけど、実際どうなのか。
こちらでは、ビルメンテナンスの年収や、資格取得でどれくらいの手当が期待できるのか、報酬アップを狙う道はあるのか、そして将来性はあるのかをまとめてご紹介します。
資格手当は気になる!
ビルメンが就職・転職に有利になるための「ビルメン4点セット」と「ビルメン三種の神器」は別の記事で紹介しています。
ビルメンテナンスの年収
ビルメンテナンスの年収は、200万~300万円台の方が多く、400万円台ならいいほうだと言われています。
国税庁による民間給与実態統計調査(令和元年)によれば、給与所得者全体の平均年収は436万円。男女別では男性が540万円、女性が296万円という結果でした。
ビルメンテナンス業界は男性が占める割合が多く、男性の平均年収と比較してみても年収は低めであることがわかります。
これはもちろん会社や地域にもより、もっと多くの報酬を得ている方もいるのですが、ビルメンテナンスというのは、全般的に給料が安めの業界というのが現実。
ですが、ビルメンテナンスでも、年収500万円を超える方もいます。努力次第では、年収アップを狙うことも可能なのです。
ビルメンで年収500万円?!
資格取得でビルメンテナンスの報酬アップは狙える?
ビルメンテナンス業界では、資格取得で報酬アップが狙えます。
と言うより、資格をいくつも取得して、その手当をもらって稼がなければ、年収は低いままといったケースのほうが多いでしょう。
ビルメンテナンスでは資格は必須と言えるほど重要性の高いもの。これを持っているかどうかが大きなカギとなります。
ビルメンテナンスの年収アップに有効な資格とは?
では、ビルメンテナンス業界で、資格手当など報酬アップを狙うにはどんな資格を取得したらいいのでしょうか。
以下、ビルメンテナンスで資格手当をもらえる可能性のある資格と、その手当の相場も合わせて一覧にしてみました。
資格名 | 資格手当の相場/月 |
---|---|
第2種電気工事士 | 500~3,000円 |
2級ボイラー技士 | 500~2,000円 |
危険物取扱者 乙種4類 | 300~1,500円 |
第3種冷凍機械責任者 | 500~2,000円 |
第3種電気主任技術者 | 3,000~10,000円 |
エネルギー管理士 | 5,000~10,000円 |
建築物環境衛生管理主任技術者(ビル管理士) | 3,000~10,000円 |
第2種電気主任技術者 | 5,000~20,000円 |
第1種電気主任技術者 | 15,000~20,000円 |
第1種電気工事士 | 1,000~5,000円 |
1級ボイラー技士 | 2,000~5,000円 |
第2種冷凍機械責任者 | 1,000~5,000円 |
第1種冷凍機械責任者 | 3,000~8,000円 |
消防設備士甲種 | 500~3,000円 |
消防設備士乙種 | 500~2,000円 |
消防設備点検資格者 | 1,000円 |
危険物取扱者 甲種 | 1,000~3,000円 |
エネルギー管理員 | 1,000円 |
資格手当は1,000~3,000円前後のものがほとんど。
- ビルメン4点セットは4つ分の資格手当で数千円~10,000円未満
- ビルメン三種の神器の3つ分の資格手当で10,000円~30,000円
このような手当相場となっています。
少ないようにも感じますが、資格を持っていれば毎月このような手当がプラスになるので、やはり少しでも多くの資格を持っているに越したことはありません。
この資格手当は、ビルメンテナンス会社の規模や、系列系か、独立系か、といったところでも大きく変わってきます。中には資格手当なしといったビルメンもあるので、就職や転職の際には事前にできる範囲で確認しておきましょう。
ビルメンは時間があるし資格取得もできる!
上位資格で昇格を目指す
ビルメンテナンス会社で年収500万円を超えている方というのは、資格や実績を積み、所長や責任者等の立場となっていることが多いです。
所長や責任者になるためには、三種の神器など上位資格を所有していないと昇格できないといった条件のある会社も少なくないので、上を目指したいのであれば、こういったところも確認しておきたいですね。
責任者になれば、責任者手当などがプラスされることもあります。
選任手当で報酬アップ
資格によっては、会社に選任義務というのがあり、現場に定められた人数の資格者を配置して届け出をする必要があったりします。
その選任者として従事することとなれば、資格手当の他に選任手当がプラスとなる場合があり、年収アップが見込めます。
ただし、ビルメンテナンス業界で選任者として選任されるにはそれなりの実務経験や実績が必要で、資格を持っているだけで年収アップ、というわけではありません。
とはいっても、資格を複数持って実務経験も積んでいけば、より条件のよい職場に転職も可能となってくるでしょう。
いずれにしても、経験を積みながら、資格取得を目指していくのが年収アップに繋がるのは間違いありません。
選任者というのは、
- 電気主任技術者
- 建築物環境衛生管理主任技術者(ビル管理士)
- 冷凍機械責任者
- エネルギー管理士
- 危険物保安監督者
- ボイラー・タービン主任技術者
- 防火管理者
など、法令や政令により有資格者を選任することが定められているものであり、選任されたものに対して支払われる手当が選任手当です。
選任者となれば、その分、責任を持つ立場となり、それに応じて報酬もアップするわけですね。
例えば、
- 電験三種で選任された場合の選任手当は10,000~20,000円/月
- ビル管理士で選任された場合の選任手当は5,000~20,000円/月
といった手当相場となっています。
法律で決められている資格は需要がある
もちろん、資格取得も難関ですし、経験や実績などがなければ選任もハードルがかなり高めとなりますが、資格手当を合わせることで、大きな報酬アップに繋がります。
ビルメンで高収入を目指すなら、資格手当やその後の転職も考えながら、計画的に経験を積むことも大事ですね。
ビルメンテナンスの将来性
ビルメンテナンスは給料が低めと言われる業界で、昇給も資格取得が頼みの綱といったところ。将来性も気になりますよね。
ビルや商業施設などがある限り、ビルメンテナンスの仕事自体がすぐになくなるといったことは考えにくく、人手も必要でしょう。
また、ビルメンテナンス業界は年齢層も高めで、有効な資格や経験があれば、長期的に働ける環境でもあります。営業職のようなノルマなどもなく、将来的にも安定して仕事ができる業種と言えます。
ビルメン業界では、転職する方も珍しくありません。報酬アップも視野に入れながら、より良い環境で働けるように効率よくスキルアップしていきたいですね。
ビルメンでは電気の知識の他にもボイラーや熱の知識が必要になります。
当サイト「電気工事士デポ」と提携をしている『エネ管ドットコム』では、わかりにくい熱力学の知識を、動画をまじえて丁寧に解説しています。
流しみるだけでも自然と知識が身につくので、電気とあわせて勉強をしておくと将来性がさらに広がりますよ。
参考記事:【熱力学】エンタルピーって何?内部エネルギー、エントロピーとの違いは?