電気工事士は「激務でキツそう」とか「感電しそうで怖い」、「辞める人が多そう」と不安な人もいると思います。
- 「電気工事士はやめとけ」という噂を聞いた
- 電気工事士で本当に稼げるのか不安
そう思う方もいるかもしれません。
高卒の僕でも手に職をつけてガッツリ稼ぎたいと思って、電気工事士になりました。
この記事では、僕の心を丸裸にして長年の経験を全部さらけだします。
「こうすれば乗り越えられる」「こうすれば一歩を踏み出せる」といったポイントをチェックしていってください!
やめとけってホント?辞める人に聞いた本音ワースト3
電気工事の世界に入ってきた人が辞めていく理由は、見習い期間の給料の安さと拘束時間です。
以前勤めていた会社で辞めていった新入社員23人に聞いた「ココが辛いよ電気工事士」の内容をお伝えします。
第1位:朝が早い
現場の朝礼に間に合うように会社や家を出発するため、悔しいですがどうしても朝早くなります。
場合によっては6時前に自宅を出発するケースもあるので、連日の作業と通勤でぐったりと疲れることもしばしば。
最近では、転職エージェントが朝の通勤時間をチェックしてブラック企業じゃないか確認してくれるケースもあります。
よく言われるのは、「早起きは習慣が大事、慣れの問題だよ」と言います。でも、それができないから辛いのです。
「慣れだよ」なんて言われても、できたら始めからやってる
早起きの問題は仕事をする環境に大きく左右されますが、自分から早起きをしたいメリットなんてなかなか見つからないものです。
しかし、どうしても早起きが心配な方でも誰でも劇的に解決できる方法は「優良企業で働くこと
大手や優良企業は、下記のような特徴があります。
- 車の運転による事故を非常に嫌う
- 運転させるリスクをとらない
- 前日に移動日がある
実際僕は、移動日に早めに出張先に行き、地元の美味しいお店を食べ歩くこともたびたびあります。
第2位:拘束時間が長い
電気工事の仕事は、現場への移動があるので拘束時間が長くなります。
片道1時間の現場に通勤する場合は、毎日映画1本分の2時間を費やすのです。
そのため、今までは電気工事業を含む建設業全体が拘束時間が長く「ブラック」なイメージが強かったのは否めません。
でも今は、会社によってはブラックから変わりつつあるんだよ。
それに手当がつく会社がすごく多いんだよ。
「手当て」っていい響き!
働き方改革の時代なので、電気工事の業界も変化しています。
- 残業を減らすことがあたりまえ
- 1ヶ月の上限は45時間
- 土曜日に3回出勤したら平日の残業は1時間以内
- 過重労働には労働基準監督署の目も厳しい
コンプライアンス重視の大きめの会社であれば、45時間に到達する前に会社側から「残業、休日出勤はストップ」になります。
もしもお勤めの会社が「そんな残業時間の上限なんて関係ないよ!」という場合は、すぐに転職を検討した方がいいかもしれません。
第3位:人間関係がめんどくさい
建設業全般に言えることですが、社員の高齢化が進み、現場への移動で先輩との世間話をする機会が多いです。
そのため、
- 話をしたり人間関係が面倒だと感じる
- 現場に向かう車の中の通勤時間が苦痛
コミュニケーションが苦手な人にとっては致命的になります。
また、ご年配の方の「俺の若い頃は~」って話は不毛なことが多いのも事実。
「〇〇さん、その話聞きましたので大丈夫です」なんて言えればいいのですが、勇気を出して話をしたところで、別の話になるだけです。
僕は無理にコミュニケーションを取る必要はないと思うんだ。
ですから、無理に話をひねり出す後輩にあわせて会話をしているのかもしれません。
そこで提案したいのが車内でYou Tubeをみることです。
You Tubeのメリットはこちら。
- 年配の方でも見ている人が多い
- 音楽も聞ける
- 音楽と動画で会話を回避できる
- 話のネタを広げることができる
僕は40代ですが、20代の若手とマンガの考察チャンネルで盛り上がることがあります。
50代、60代の人もあたりまえのようにYouTubeをみていますので、思わぬ趣味のつながりができるかも知れませんよ。
YouTubeの他にも通勤時間やスキマ時間にAmazonプライムでキングダムや呪術廻戦といったアニメをみるのが日課みたいだよ。
電気工事士も悪くない?向いている人の3つの特徴
きついと思われがちな電気工事の仕事。
向いている人の特徴を僕の経験談を交えながら紹介します。
1.丁寧にコツコツ仕事ができる人
電気工事士は電気の配線を扱う仕事です。
日々コンセントからスマホの充電を行い部屋の照明が点灯するのも、正しい施工ができてこそです。
正しく安全に施工するためには、物事を丁寧に、コツコツ積み上げていく必要があります。
電気工事の仕事は、あとから確認することができない「不可視」な施工場所が必ずありますので、仕事は遅くても丁寧に正しい施工をすること大切です。
あとになってから「やっぱり心配」では2倍、3倍の手間がかかるんだよ
2.ものづくりが好きな人
小学生の理科の実験で豆電球をつけましたよね。
電球がパッとつく喜び!それは大人になっても色褪せることはありません。
自分で配線をして、部屋が照明で照らされる感動を味わいたい方は電気工事士に向いています。
僕の経験でのものづくりの喜びを簡単に紹介します。
- 自分で取り付けた照明が明るい
- 壊れていたインバータが直った
- 自分で組んだ回路が動作した
失敗することもありますが、好きを仕事にできる。できるから更に好きになる。良い循環が待っています。
誰もが好きで仕事をしていないので「好きを仕事にできる」方は、良い循環のあとに給料があがる可能性が非常に高いです。
それでも給料が上がらずに不満でしたら他の会社の条件を確認するのがおすすめです。
優良企業の実態をしらないだけで損をしている人がたくさんいるんだ。
自分を安売りしないでくださいね。
3.現場での対応力のある人
現場に行く前には計画書や図面を見て準備をします。
しかし、顧客の要望が変わったり、予定していた材料が納期に間に合わなかったり、職人さんが体調を崩してお休みすることもあります。
そんなときに、頭を切り替えて現場で対応してくれる方は一緒に仕事をしていて非常に心強い存在です。
実際に僕が経験してきた現場でも不測の事態は起きています。
- 予定外の雨や台風
- 現地の状況と図面が違う
- 職人さんが渋滞に巻き込まれて現場に来れない
- 製品を運ぶトラックが雪にハマって立ち往生
学生時代に班の活動で班長をやったり、社会人になってからグループディスカッションで司会を担当する人は現場でも対応力があり、向いていると感じます。
仕切り屋は電気工事の仕事に向いている
「やめとけ」と思う人の特徴とアドバイス3選
誰にでも向き不向きはあります。
ただ、あきらめるてあとで後悔するのではなく、少し視点を変えて自分の向いている仕事に目を向けてはいかがでしょうか。
実際に相談された内容を、今から説明するで。
1.決まった時間で仕事をしたい人
電気工事の仕事は休日に作業をしたり、残業時間帯に作業をせざるを得ないケースがあります。
工場でも公共施設でも、電気はみなさんがお使いになるので、職業柄仕方のないことです。
- 友人と遊びたい
- 趣味の時間を充実させたい
このような方は、出張が多い会社での電気工事士に向いていません。
無理をして続けた結果、不満がたまり辞めていく姿を僕は見てきました。
解決策は、入社する会社をしっかり選ぶこと!
電気工事士の中でも、ひとつの選択肢として工場に勤務し設備の保全員として活躍している人がいます。
保全員の仕事は下記の通りです。
- 設備の点検・記録
- 設備のメンテナンス計画をたてる
- 電気工事会社やメーカーに見積を依頼する
- 緊急時には残業もある
社内食堂だって使うことができますし、工場によってはシャワーを浴びて帰ることもできます。
設備が故障しなければ定時で帰ることができる設備保全員の仕事は、時間をきっちりと決めて仕事をしたい方におすすめです。
保全員の他には、技術営業や施工するために図面を描く仕事もあるんだ。
現場の仕事一択ではなく、幅広く電気工事の仕事をみるのも良いですよ。
2.他の人に見られていると仕事ができない人
電気工事の仕事はお客様に見られている中で作業をすることもあります。
最初のうちは誰だって自信が持てなくて当たり前なのですが、お客様の前での作業を過剰に嫌う人がいます。
厳しい言い方ですが、誰かに見られていて仕事ができないようでは、プロとしてお金をいただくことはできません。
どうしても見られていると仕事ができない方は、現場作業をする職人ではなくて、現場監督への転向がおすすめだよ
現場監督の仕事は下記になります。
- 施工するための図面を描く
- 車両や製品納期の計画や工程表をつくる
- 現場で職人さんを指揮する
- お客様の視点で仕事の出来映えをチェックする
特にお客様の視点で仕事の出来映えをチェックすることで、多様な視点から現場を見れるようになります。
現場の監督は大企業でも人材が不足しているため、経験を積んで電気工事施工管理技士の資格をとり、大企業に転職すると大幅に年収がアップします。
未経験者からでも施工管理技士補の資格が取得できますので、ご興味のある方はチャレンジしてくださいね。
施工管理技術検定という現場を管理する人が持つ資格の受験資格のハードルが高いため、補佐する役割で令和3年度から新設された資格になります。
3.知らない土地での生活を楽しめない人
出張が多ければ知らない土地で仕事をすることもありますし、今まで経験してこなかった業務に取り組むこともあります。
人は変化を嫌うものです。
食事や布団、少しの生活習慣の変化に対応できなくて、辛くて手当が欲しいと訴える人がいるのも事実です。
少しだけど、知らない土地を楽しむコツをお話するね。
- ランチに行くこと
- 地元の人と話をすること
- 休日にカフェでまったりとする
「ランチに行くって本当に?」思うかもしれませんが、しっかり自分への言い訳も用意しました。
公共工事で知らない土地に行った場合、その土地の人が収めた税金で工事を行うことになりますので「地域にお金を落として活性化に貢献する」という建前ができます。
事実、ある自治体では請負金額の数%以上、就業時間中に飲食をしたことが領収書で確認できれば、評価点が加点の対象になる場合があります。
- 電気工事士歴20年以上のリベルタの体験談より -
「本当に?」って思いますよね。
地元の美味しいものを食べ、工事の評価点があがれば、結果として自分の給料に跳ね返ってきます。
地元の人と話をして”現地の生”のお天気情報を入手できます。
また、プライベートでは絶対に来ないような土地のカフェでまったりすると、知らない土地での生活も楽しめますよ。
地元のランチを食べて給料アップ!
電気工事士あるある?噂話は本当?
ここでは、現役電気工事士の僕が、よく言われる噂話にお答えします。
良いことも悪いことも全てお話しますね。
- 噂話①:電気工事士の年収は底辺?
- 噂話②:電気工事士って将来性あるの?
- 噂話③:電気工事士ってガラが悪いって本当?
- 噂話④:電気工事士って激務で危険?
- 噂話⑤:電気工事士って離職率が高い?
噂話①:電気工事士の年収って底辺クラス?
現場仕事で拘束時間は長くなりますが、電気工事士の年収が底辺なんてことはありません。
最新の国税庁のデータをみるとおおよそ400万円から500万円となっており、ほぼ平均年収並と言えますが、大企業の方が年収が高くなる傾向がありますよ。
電気系試験・資格のついて知りたい方はこちらの記事を読んでくださいね。「電気系試験・資格」はこちら>>
噂話②:電気工事士って将来性あるの?
自信をもってあるとお答えします。
電気工事は発電所だけでなく、皆さんの飲水や下水といった生活のインフラにも関わっている仕事です。
想像してください。
将来、我が家の水が出なくなることなんてないよね?
電気工事士の将来性はインフラがある限り有望ですよ。
噂話③:電気工事士ってガラが悪いって本当?
電気工事士だから特別ガラが悪いということはありません。
もちろん多くの人が集まって仕事をしますので、気の合わない人や注意の仕方が優しくない人もいますが、それは電気工事士に限ったことではありません。
不安な人は、パワハラに対する意識の高い比較的大きな規模の電気工事会社に勤めると良いですよ。
噂話④:電気工事士って激務で危険って本当?
激務かどうかは”会社による”のが正直なところです。
電気工事会社は中小零細企業が多くあります。
しかし、零細企業になればなる程、激務になる確率はあがりますので、大手の工事会社に入るのがベターな選択です。
危険かどうかは、、半分は本当だよ。
ただし、電気工事だから即感電、即危険とはならないんだ。
下記の表は、昭和28年から令和2年までの建設業労働災害防止協会の統計データです。
昭和28年から令和2年までの労働災害発生状況
引用:建設業労働災害防止協会の統計
表から下記のことがわかります。
- 軽いケガ ⇒ 工場などの他の産業の方が多い
- 死亡災害 ⇒ 建設業が多い
- 最近は労働災害が減ってきている
一番危険なポイントは高い所からの落下です。これは電気工事に限らず建設業全体として多い災害になります。
工場勤めであっても電気工事であっても、現場で働く仕事であれば、どの仕事も同じように危険は伴うことになります。
噂話⑤:電気工事士って離職率が高いの?
経済産業省の「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性」というデータをみると、電気工事業の就職3年後の離職率は20%~40%です。
- 製造業の20%~30%より離職率が高い
- 旅行業の60%より低い
- 医療・福祉は40%~50%と高い
- 小売・サービス業の40%と同等程度
電気工事業だけが特別に離職率が高いわけではないみたいだね。
電気工事士のメリットは手に職がつくので仕事に困らない
「職人」。いい響きではありませんか?
僕は、人生100年時代に働く場所や仕事を自由に選べることが本当のFIREだと思います。
手に職をつければ、会社の倒産や不景気に怯えることなく、高い年収を得ることも可能になります。
インフラなので仕事がなくならない
電気工事の仕事は、設備を導入し、メンテナンスをし、新しくすることの繰り返しです。
設備の中には、
- テレビ局のサーバー
- 病院のバックアップ電源
といった社会のインフラとして稼働しているものが多くあります。
また、電気工事士の仕事はAIや省力化ロボットを使って代替えできるものではなく、人の手によって作り上げるので仕事がなくならないのです。
テレビ局や病院では仕事をする時間も限られるため、夜間作業になることもあります。
しかし、仕事がなければ高い年収をもらうことはできません。
高年収への第一歩は、仕事が継続的にあることなんだよ。
手に職をつければ転職や再就職にも有利
手に職をつける。
企業に求められる人材であれば、より良い条件の会社に転職していくことが可能になります。
僕の経験では、
- 電気工事士は一人前になるために最低5年間が必要
- だから、常に人手不足!
20代、30代のうちから経験を積み、電気工事士や施工管理技士の資格を取得すれば、将来引く手あまたになるでしょう。
電気工事士の資格は施工管理技士への第一歩になるんだ。
将来は独立も可能になる
僕の知り合いで、初めは会社員として電気工事士を始めて、独立して売上が1000万円以上の電気工事士になった方がいます。
中途半端に再就職するよりも、みずからの手で事業を開いているのです。
独立する人の中には、自分の勤めていた会社を相手に事業主として取引を始める強者もいます。
- スキルが問われるが、仕事には工具車両があればOK
- 定年後に取り組む事業として初期費用が少ない
独立しても、需要があるから高い給料をもらえる!
職人から電気施工管理技士へ|電気工事士になって良かったこと
電気工事士になるメリットは、下記の3つとお伝えしました。
- インフラで仕事がなくならない
- 再就職や転職に有利
- 独立も可能
でも、本当に大切なことはストレスなく働きながら、満足のいく給料がもらえることです。
実際僕は、職人から電気工事のキャリアをスタートし、現在は電気施工管理技士という現場監督の仕事をしています。
- 現場毎に工夫を重ねることができる
- 仕事に飽きない
- 仕事の進め方を自分で設計できる
- 年収を1000万円稼げる
僕は会社員としてのメリットを最大限に生かしつつ、職人さんたちと冗談を言い合ったり、時には真剣に議論をしています。
自分の色に現場を彩っていく今の働き方は、ある意味セルフにFIREしている状態といえるでしょう。
手に職をつけて、お金の不安を解消し、自由に働く。
だから、やりがいと満足感を感じる。
それが僕が電気工事士の道に進んで良かったと感じていることです。
まとめ:やめとけって思う人へ。電気工事士はかっこいい!
どんな仕事でも、悪いことばかりに目を向けると辛くなります。
メリットとデメリットを考えて「やってみたい!」と思ったらぜひ挑戦してください!
もちろん、人により向き不向きがあると思います。
実際僕に相談にきた電気工事士の見習いの方で「自分が職人として電気工事士に向いているかわからない」という方がいたんだ。
でも安心してください。
「不器用は、作業を繰り返し練習すれば克服できます」
言い切れます。
繰り返し鍛錬することは簡単ではありませんが、鍛錬は嘘をつきません。
気になっているのに、なにもしない後悔はもったいない!
- 「高い年収が欲しい」
- 「自分で設計して現場をかっこよく進めたい」
この気持ちがあれば、成長の度合いと年収が全然違ってきます。
大事なことですが、電気工事士は楽してお金が欲しい人は無理です。
- 現場で汗にまみれたり汚れることもあります
- 夜な夜な残業をしながら現場で叱られることもあります
それでも、経験を積んで自信と誇りを持って仕事をしている職人さんを見ると、同業者の僕も「かっこいい」と感じます。
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何か疑問があればリベルタ(denki_depo)のX(旧Twitter)までコメントください!
一緒に頑張れる、時には愚痴や意見を言い合える仲間ができたら嬉しいです。