電気エンジニアになるために取っておいたほうがいい資格は?

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電気に関する仕組みを作りあげる電気エンジニアは、電気が世にある限り必要とされる職業です。生活に密着している電気を扱うだけに需要も高く、専門的な知識と技術で高収入も狙える職業のひとつです。

電気エンジニアを名乗るには、一定の知識と実務経験を伴う資格の取得が必須とされています。電気エンジニアとしての知識を得られ、実務経験を得るには、どんな資格の取得を目指せばいいのでしょうか。今回は電気エンジニアとして活躍するために取得したい資格を紹介します。

目次

電気エンジニアは人手不足!資格を取得して有利に就職しよう

電気エンジニアの需要は高い一方、業界は常に人手不足に苦しんでいます。裏を返せば未経験者でも新規参入できる余地があるということ。電気エンジニア業界への参入には、どんな準備が必要なのかを分析してみましょう。

電気工事業界では有資格者が大人気

電気エンジニアとして工事や監督にあたるためには、関連する資格の取得が必須です。電気関連の工事は、ひとつのミスが大きなトラブルに繋がるリスクがあるため、専門的な知識と高度な技術が国家資格という形で求められます。

資格の難易度はそれぞれ異なりますが、高難度資格に分類される難関資格も少なくありません。そのため電気工事に関わる業界における有資格者の需要は非常に高く、高度な資格を複数持つ人ほど引く手あまたです。

未経験からでも就職は可能

電気工事関連の業種は全体的に人手不足のため、業界未経験からでも電気エンジニアとしての就職は十分可能です。ただし実務経験が受験資格となる資格も多く、また経験が無ければ対応が難しい現場もあるため、いきなりトップエンジニアとして活躍するのは困難です。

まずは入門用ともいえる、受験資格がない資格を武器に業界への就職を目指しましょう。そして現場経験を積みながら上級資格の取得を目指すのが、未経験からトップエンジニアに向かう王道といえるでしょう。

電気エンジニアに必要な資格

電気エンジニアの活躍の場は多い一方、現場によって求められる資格が異なります。すべての関連資格を取得する必要はありませんが、複数持っていれば活躍の場は広がるのは間違いありまえん。まずは目指すジャンルのエンジニアに必要な資格を取得し、徐々に関連資格に手を伸ばしていきましょう。

電気エンジニアの資格1. 電気工事士

電気工事士は電気エンジニアの基本ともいえる資格です。電気に関する設備の設営・撤去を行うために必須の資格であり、この資格を持たなければ電気エンジニアを名乗れないといっても過言ではありません。

電気工事士は第二種・第一種に分類されており、第二種は第二種は電圧600ボルト以下の一般住宅や小規模施設の電気工事を、第一種は電力5000kw未満の工場やビルなどの電気工事を行えます。

受験資格第一種・第二種ともに条件なし
試験日【第一種】
筆記試験:10月上旬の日曜日 技能試験:12月中旬のに値曜日
【第二種】
[上期]筆記試験:5月下旬の日曜日、技能試験:7月中旬の土日[下期]筆記試験:10月下旬の日曜日、技能試験:12月中旬の土日
試験概要筆記試験:4択式のマークシートで50問技能試験:指定された配電盤を使った配線作業
合格基準筆記試験:60点(50問中30問)技能試験:配線に問題が無ければ合格

主催団体:一般財団法人 電気技術者情報センター

電気エンジニアの資格2.電気主任技術者

電気主任技術者は、施設の受電設備や配線など、電気設備の工事・保守業務の監督を行える資格です。

第一種から第三種までの3種類があり、第一種は制限なし、第二種は電圧17万ボルトまで、第三種は電圧5万ボルトまでしか事業用電気工作物を扱えないという区分があります。

受験資格第一種~第三種まで条件なし
試験日一次試験:8月下旬の土日
二次試験:11月中旬の日曜日
試験概要一次試験:理論、電力、機械、法規の科目別に試験、マークシート方式
二次試験:電力・管理、機械・制御の科目別に試験、記述方式
合格基準年度によって合格基準が異なる。
一次試験:各課目とも80点満点中48点(60%)前後
二次試験:各課目とも180点満点中108点(60%)前後

一次試験は科目合格制度があり、3年以内に4科目に合格すれば二次試験の受験資格を得られる。

主催団体:一般財団法人 電気技術者情報センター

電気エンジニアの資格3. 工事担任者

工事担任者は、通信回線に接続する端末設備の設置・配線工事の実施、または監督をするための資格です。アナログ回線を扱うアナログ通信、デジタル回線を扱うデジタル通信に分類され、それぞれ扱える規模によって第一級と第二級に分類されます。また最上位資格として、すべての工事を行える総合通信があります。

受験資格全種条件なし。
試験日年2回。
第1回:5月下旬の日曜日
第2回:11月下旬の日曜日
試験概要全種とも
・電気通信技術の基礎・端末設備の接続のための技術及び理論・端末設備の接続に関する法規の3科目。すべてマークシート方式
合格基準全科目で100点中60点以上で合格。
科目合格制度があり、3年以内に全科目で合格すれば資格取得。

主催団体:一般財団法人 日本データ通信協会

工事担任者の受験資格や難易度・受験料については、こちらの記事で解説しています。

電気エンジニアの資格4. 消防設備士

消防設備士は、建物に設置する消防設備を扱うため資格です。扱える設備の種類により細分化されており、工事・点検・整備すべてが行える甲種は特類・第1類~5類の6種類、点検・整備のみ行える乙種は第1類~第7類の7種類に分かれています。

電気エンジニアを目指すなら、火災報知器やガス漏れ警報設備の設置工事を行える甲種4類を取得するとよいでしょう。

受験資格▼甲種
・特類……甲種第1類~3類のいずれかひとつと、第4類・第5類の合計3種類の免状・第1類~5類……指定学科の大学卒業、電気工事士などの資格
▼乙種
条件なし
試験日地域によって異なる
試験概要【筆記試験】
・消防関係法令
・基礎的知識
・消防用設備などの構造・機能・工事・整備
の3科目。すべてマークシート方式。

【実技試験】
鑑別など
製図
の2科目。記述式。
合格基準筆記試験:合計60点以上、各課目40点以上
実技試験:合計60点以上

主催団体:一般財団法人 消防試験研究センター

消防設備士の難易度や効率よく受験する順番はこちらの記事をご覧ください。

電気エンジニアの資格5. 電気・電子系技術検定試験(E検)

電気・電子系技術検定試験、通称「E検」は、電気・電子技術に関する幅広い知識とスキルを測るための検定試験です。若手から中堅技術者を対象に、一定以上の技術と知識を幅広く持っていることを証明するための試験として注目されています。

多くの電気関連の資格は独占業務を持つ国家資格ですが、E検は民間資格であり、この資格がなければできない独占業務がありません。対応できる業務が法的に広がるわけではありませんが、電気エンジニアとしてのスキルを証明するために活用できるでしょう。

受験資格条件なし
試験日【全分野試験:基本分野試験】第1回:5月ごろ
第2回:11月ごろ

【レベル1試験】
全国の100都市以上の会場のCBT試験会場で実施
試験概要【全分野試験】
電子回路・デジタル・電気回路・電磁気・半導体・実装・信頼性設計・計測・コンピュータの9分野すべてでレベル1~3の問題を出題。計100問

【基本分野試験】
電子回路・デジタル・電気回路の3分野からレベル1~3の問題を出題。計64問

【レベル1試験】
9分野すべてのレベル1問題を出題。計100問
合格基準【全分野試験】
得点数に応じて称号を認定
エバンジェリスト:65点以上/100点
シニアエキスパート:55~64点/100点
エキスパート:45~54点/100点

【基本分野試験】
得点数に応じて称号を認定
特級:50点以上/64点
上級:40~49点/64点
中級:30~39点/64点

主催団体:電気・電子系技術者育成協議会

電気エンジニアの資格6. 電気取扱者

電気取扱者は、充電経路の敷設、修理、操作を行うための認定資格です。国家資格ではありますが、資格取得のための試験はなく、「当該業務に係る特別教育」に該当する講座を修了すると取得できます。

扱う電圧によって資格が異なり、特別高圧・高圧・定圧の3段階に分類されています。

  • 特別高電圧電気取扱者……交流、直流ともに7,000ボルト以上の電圧
  • 高電圧電気取扱者……交流は600~7,000ボルト未満、直流は750~7,000ボルト未満の電圧
  • 低電圧電気取扱者……交流は600ボルト未満、直流は750ボルト未満
受験資格満18歳以上
試験日随時「都道府県労働局長登録教習機関」にて行われる。
関東では「一般財団法人 関東電気保安協会」が管轄する
試験概要資格取得のための試験は無し。
安全衛生特別教育規程の教育を受ける。
合格基準検収完了をもって資格認定

主催団体:厚生労働省

実施団体:一般財団法人 関東電気保安協会

まとめ

電気エンジニアには高い需要がある一方で、活躍できるようになるまでのハードルは決して低くありません。難易度の高い資格を取得し、十分な実務経験を踏むことこそが、第一線で活躍できる電気エンジニアへの道といえます。

まずは入門用ともいえる資格の取得からスタートし、少しずつ実務経験を経て電気エンジニアとしての実力を高めていきましょう。

その他の電気系の国家資格をまとめて紹介している記事がありますので、ぜひ読んでください。

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