電柱(コンクリート柱)の根入れ深さってなに?計算方法は?

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読者さんからご質問をいただきました。

街にあふれている電柱って倒れたりしませんか?

ときどき、雪の地方だったり台風の影響で「電柱が倒れた」とニュースになりますよね。

リベルタ

決められた長さだけ地面の中に埋まってるから、基本的には大丈夫だよ~。
地面の中のことを「根入れ(ねいれ)」っていってね、根入れの長さを「根入れ深さ」っていうんだ。

この記事では、誰でもわかるように解説をします。

下記の文献を参考に書いています。

執筆者:リベルタ
  • 第1種電気工事士
  • 1級電気工事施工管理技士
  • 現在は電機メーカーに勤務
電気工事歴24年
目次

電柱(コンクリート柱)の根入れ深さと計算方法

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根入れの長さは長いほど、地面からの支持力が大きくなります。

雪や風、地震で倒れないように、所定の深さよりも深く地中に埋設することで支持強度を確保しています。

では、根入れ深さはどのくらいの深さなのでしょう?

  • 電柱(コンクリート柱)が15m以下の場合
    ⇒全長の1/6以上を地面に埋める

例えば14mの長さの電柱だとすると、14m÷6=2.33m以上を地面に埋める必要があります。

  • 電柱(コンクリート柱)が15mを超える場合
    ⇒2.5m以上を地面に埋める

電柱の根入れ深さは電気設備技術基準に定められているので、種類や長さに応じた設定が必要となります。

電柱(コンクリート柱)の長さと根入れの一覧表

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代表的な電柱の太さと根入れの一覧表を作成しました。

呼び名長さ(m)根入れ長さ(m)設計重量(kg)
10-19-2.5101.7665
12-19-3.0122.0850
12-19-5.0122.0905
14-19-5.0142.41,115
16-19-5.0162.51,340
14-19-7.0142.41,350
16-19-7.0162.51,745
16-19-10162.51,935
呼び名は中部電力規格品を採用

上記が根入れの一覧表になります。

ただし、気を付けないといけないことが……

リベルタ

ありがちなケースとしては、設計重量が予想より重たいこと。
作業をするときも気を付けないといけないけど、災害のときに電柱が倒れてきたら大変!
軽自動車よりも、電柱の方が重たいからね!

電柱の根入れに関するもっと詳しい内容は、トーカイポールさんのHPで紹介しています。

電気工事会社に勤めている場合は、取引のある電材屋さんを経由して、ポールの強度計算や支線の計算をメーカーさんにお願いできる場合があります。

わからないことは積極的にきいてしまいましょう!

無電柱化はなぜ進める必要があるのか?

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無電柱化ってきいたことありますか?

そのままですが、電柱をなしにする取り組みです。

理由は、

  • 町の風景を美しくする
  • 電柱が倒れた場合、通行を妨げる
  • 災害時の救援活動の邪魔になる

平成30年度の国土交通省の調査では、日本には3,592万本の電柱があると言われています。

東京23区や大阪市、名古屋市は無電柱化が5%を超えているらしく、次いで静岡市、横浜市、福岡市が3%という結果になっています。

歴史ある街並みを無電柱化にすることで写真も「映え」そうですね。

リベルタ

でも、一番困るのは、災害時に電柱が倒れてくると、道路が通行止めになることだね。

電柱が邪魔をして災害時の物資が届きにくくなってしまいます。

予算や電柱をなくすときの停電の都合があるので、現実的に難しい側面があるのは否めませんが、長期的にみて無電柱化は「できたらいいな」とも思います。

【体験談】電柱が倒れて陸の孤島に

これは僕が実際経験したことです。

長野県の県境で仕事がありました。

山奥の作業で、本当に毎日2時間30分かかる通勤時間が苦痛でたまらなかったそのときに、事件は起きたのです。

リベルタ

その日の作業が終わって帰ろうと思ったら……
雪の重みに耐えきれなくなって、1本道が電柱でふさがってる。

山奥の1本道。

もちろん電波は届きません。

幸いガソリンとスコップを車に積んでいたので、一晩中エンジンをかけて、ときどき外にでては雪かきをすることで翌日作業に向かってきていた職人さんに発見してもらえました。

リベルタ

そんな経験をした僕は、現実的には難しいかもしれないけど、無電柱化に賛成です!
(山奥まで無電柱化にならないかもしれないけどね)

まとめ

電柱は規定の深さまで埋まっているので、平常時は倒れてくる心配はありません。

ただ、大雪や災害のときには注意が必要です。

倒れてくるときには、軽自動車が降ってきたような衝撃になりますので、決して近寄らないでください。

また、切断された電線が近くにある場合、感電の危険もあるので絶対に触れないようにしてくださいね。

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